イベント日:2025年5月22日
英国は、チャゴス諸島の主権をモーリシャスに移譲する一方、ディエゴガルシアの軍事基地を99年間借り戻す協定に署名した。この決着により、英国で最も長く続いてきた領土紛争の一つが終結する。
キア・スターマー首相は、この取り決めが英国の国益にかなうと述べている。協定に基づき、英国は基地の賃借料として年間平均1億100万ポンドを支払い、さらに40年間延長する選択肢を持つ。政府はチャゴス諸島民のために4,000万ポンドの信託基金も設け、モーリシャスの開発に向けた追加支払いも行う。
この合意は、モーリシャスがまだ英国の植民地だった1965年に同国から切り離された群島の主権を巡る法的問題を解決するものだ。その後、英国は300万ポンドで諸島を購入したが、この歴史はチャゴス諸島民やモーリシャスの政治家の間で数十年にわたる怒りを招いてきた。
戦略面で群島の最重要部分となるのがディエゴガルシアだ。同地の基地は地球上で最も機密性の高い軍事施設の一つであり、現在も西側諸国の安全保障計画の中心を担っている。英国と米国は賃貸借契約に基づき、同施設の運用を継続する。
協定は順調に成立したわけではなかった。BBCによると、土壇場で出された裁判所の差し止め命令によって合意が一時阻止されたが、12時30分過ぎに解除された。この法的な混乱は、協定が署名された当日でさえ、この問題がなお激しく争われていたことを示している。
チャゴス諸島民の活動家らは警戒感をあらわにした。ある人物はBBCに「恐怖と怒りを通り越している」と語り、別の人物は「私たちは諦めない」と述べた。かつての英国統治下で追放された多くの島民にとって、軍事基地を存続させるいかなる合意も、なお正義には及ばないものと見なされている。
政治的な意味は諸島そのものにとどまらない。チャゴス紛争は、植民地の歴史、住民の追放、国際法、そしてインド洋にある米国関連基地の地政学的重要性が組み合わさった問題であることもあり、歴代の英国政府を長年悩ませてきた。新たな協定は、それらすべてを一度に解決しようとするものだ。
スターマー氏にとっての課題は、この妥協案が法的・戦略的な優先事項を満たす一方、道義的な異論を未解決のまま残す可能性があることだ。政府は、長期賃貸借契約と資金パッケージによって移譲を政治的に実現可能にできると見込んでいる。反対派は、核心となる軍事的取り決めを維持したまま、諸島が書面上でのみ引き渡されたにすぎないと主張する可能性が高い。
それでも、数年ぶりに核心的な条件が明確になった。モーリシャスは主権を得て、英国は長期賃貸借契約を通じてディエゴガルシアを維持し、紛争は現在進行中の領有権主張から条約に裏付けられた妥協へと移行する。



