# イスラエル、返還された遺体はシリ・ビバスさんではなかったと法医学鑑定で判明 停戦を巡る対立深まる
イスラエル当局は、停戦合意に基づきハマスから返還された遺体のうち1人がシリ・ビバスさんではなく、ほかのどの人質とも一致しなかったことが法医学鑑定で判明したと発表した。この結果により、悲嘆に暮れる家族に区切りをもたらすはずだった人質の引き渡しが、停戦を試す新たな局面となった。
資料に記載された証拠によると、シリ・ビバスさんの息子であるアリエル君とクフィル君の遺体は、オデッド・リフシッツさんの遺体とともに返還された後、身元が確認された。イスラエルによれば、引き渡された4人目の遺体は、身元不明のガザ地区の女性だった。BBCの報道によると、イスラエル国防軍はこの遺体について身元不明と説明し、ほかのどの人質とも一致しなかったと述べた。
この対立が重要なのは、死亡した人質の引き渡しが、イスラエルとハマスの段階的な停戦合意の一部だからだ。1月19日に始まったこの取り決めでは、該当する交換においてハマスが死亡した人質4人を返還することになっている。イスラエル当局者は、その義務が履行されなかったと主張している。ベンヤミン・ネタニヤフ首相は、ハマスがシリ・ビバスさんの代わりにガザ地区の女性の遺体を棺に入れたと非難した。
ハマスはイスラエル側の説明に異議を唱え、誤った遺体が送られた経緯を調査するとロイターに述べた。ハマスの報道官の1人は、イスラエル軍の空爆後、がれきの下にあった遺体の間で取り違えが起きた可能性があると述べた。ハマスは独自の声明で、合意に基づく義務を引き続き履行すると表明した一方、イスラエル当局者はこの出来事を重大な違反と表現した。
ビバス一家は、イスラエルにおける人質危機を象徴する最も広く知られた存在の一つとなっている。シリ・ビバスさんは32歳だった2023年10月7日、当時4歳の息子アリエル君、同9カ月のクフィル君とともに拉致された。父親のヤルデン・ビバスさんは2月上旬に解放された。子どもたちの遺体返還を受けて人々は追悼したが、シリさんの遺体を巡る対立が傷を再び開いた。
より広範な停戦プロセスは依然として前進しているように見えるが、その歩みは遅く、圧力にさらされている。BBCの報道によると、すでに人質28人と囚人1,000人以上が交換された一方、合意の次の段階を巡る協議はまだ始まっていなかった。イスラエルは、合計8人の遺体が引き渡されると見込んでいるとし、ガザ地区には今も数十人の人質が残されている。
現時点で差し迫った問題は、もはや交換の進み具合だけではなく、プロセスそのものの信頼性でもある。イスラエルはハマスにシリ・ビバスさんを返還するよう要求し、ハマスは何が問題だったのか調査しているとしている。この対立により、すでに感情面でも政治面でも重い意味を持つ合意に、さらなる不確実性が加わった。



