ウクライナの「ドラゴンドローン」、戦場に焼夷攻撃力と新たな危険をもたらす

ウクライナは、ロシア軍が潜んでいるとみられる陣地にテルミットなどの焼夷物質を投下する、「ドラゴンドローン」と呼ばれる小型航空機にいっそう注目している。提供されたアルジャジーラの報道では、ウクライナ国防省が、ハルキウ方面で森林内の陣地に火を降らせているように見えるドローンの映像を公開した。この映像により、ニッチな兵器は、戦争がどのように変化しているかを公に示す存在となった。

この効果を生み出している物質はテルミットだ。通常はアルミニウム粉末と酸化鉄の混合物で、爆発するというよりも、極めて激しく燃焼する。報道によると、温度は2,200度を超えることがあり、衣服、植物、軍事装備を損傷させるほど高温で、人に対して使われれば、特に残酷な傷害をもたらしかねない。また水中でも燃焼できるため、恐ろしいほど幅広い用途が考えられる。

戦術上の論理は明快だ。テルミットは標的の近くに落ちたときに最も効果を発揮するため、ドラゴンドローンは低空を飛ぶ傾向がある。火によって遮蔽物を取り除けば、木々や茂みに隠されていた人員や装備を、その後の攻撃で狙いやすくなる。報道によると、ドローンの一部はウクライナの新興企業スティール・ホーネッツ製とみられ、この兵器は小型ドローン戦でのウクライナの広範な台頭を反映している。

法的な境界はさらに複雑だ。情報源は、戦時中に軍事目標へ焼夷兵器を使用することは禁止されていない一方、民間人への使用や人口密集地域内の軍事目標への使用は禁止されていると指摘する。森林地域での使用も、植物が軍事物を隠すために利用されている場合を除き、違法となる。国連軍縮部は、こうした兵器によって発生した火災は制御が難しく、周辺の地域社会や生態系へ延焼する可能性があると警告している。

だからこそ、報道で引用された反戦団体AOAVは、テルミット爆弾を特に危険だと表現している。同団体の責任者は、使用が広がれば人口密集地域でこうした兵器が使われる可能性が高まり、壊滅的な結果になりかねないと警告する。ウクライナはこれまで軍事目標にテルミットを使用してきたが、危険は明らかだ。森林線の遮蔽物を取り除ける道具は、同じように容易に、戦場と民間区域の境界線に火を付けることもできる。

歴史的な意味で、この兵器は新しいものではない。テルミットは第一次世界大戦で初めて使用され、第二次世界大戦でも使われたが、この物質と安価で精密なドローンとの組み合わせは新しい。現在の戦場向けの形態に威力を与えているのは、この組み合わせだ。報道はまた、米国がテルミット手りゅう弾を製造しているとする一方、ワシントンがそれをキーウに供給しているかどうかは不明だとしている。現時点で重要なのは、ウクライナのドローン戦が月を追うごとに、より創意に富み、より不穏なものになっているという点だ。

心理的効果も、この兵器の価値の一部だ。突然燃え上がる森林線は、単なる標的区域ではない。そこでは部隊が遮蔽物、自信、そして時間を失う。情報源は、ドローンが注目を集めている理由はそこにあると示唆している。ドローンは有用だが、同時に、現代のドローン戦が精密攻撃と制御不能な大火災との違いを曖昧にし得ることを思い起こさせる存在でもある。