出来事の日付:2025年8月29日。

タイの憲法裁判所は、ペートンタン・シナワット首相がカンボジアの元指導者フン・セン氏との間で行った、流出した電話会談での言動が重大な倫理違反に当たると判断し、同氏を解任した。9人の裁判官は6対3で、首相の職を即時に終わらせる判断を下した。

会談は、タイとカンボジアの国境沿いで緊張が高まるなかで行われた。電話でペートンタン氏はフン・セン氏を「おじさん」と呼び、タイ軍の上級司令官を批判した。その後、フン・セン氏が録音を公開した。ペートンタン氏を批判する人々は、同氏の対応がタイの立場を弱めたと主張した一方、同氏は、非公開の接触は人命を守り、暴力を防ぐことを意図していたと主張した。

裁判所は、フン・セン氏に対する首相の私的な態度と軍に関する発言が、国家の利益より個人的な事情を優先させたと結論付けた。裁判官らは、この一件が国民の信頼を損ない、首相職に求められる倫理要件を満たさなかったと述べた。ペートンタン氏は、事件の審理中、すでに職務を停止されていた。

判決後、ペートンタン氏は決定を受け入れたものの、個人的利益のために行動したとの見方は否定した。同氏は団結を呼びかけ、自らの目的は国に尽くし、民間人と兵士を守ることだったと述べた。その後、国境での対立は5日間にわたる戦闘へと発展し、数十人が死亡、数十万人が避難した。

39歳のペートンタン氏は、2008年以降、憲法裁判所によって解任された5人目のタイ首相となった。また、セター・タウィーシン氏に続き、1年以内に同裁判所によって解任された2人目の首相でもあった。この判決はシナワット家にとってさらなる打撃となった。父のタクシン氏は2006年の軍事クーデターで失脚し、おばのインラック氏は2014年に同じ裁判所によって解任されている。

解任を受け、政権樹立を巡る新たな争いが始まった。憲法上の規則に基づき、議会は2023年の選挙前に各政党が指名した候補者の中から首相を選ばなければならない。タイ貢献党には、資格を持つ候補者としてチャイカセーム・ニティシリ元法相が残っていた。保守系のタイ誇り党を率いるアヌティン・チャーンウィーラクーン氏も有力候補の一人であり、同党は判決後、政権樹立を試みるのに十分な支持を確保したと述べた。

議員らが実行可能な連立で合意できなければ、早期選挙の可能性もあった。したがって、裁判所の決定は一人の首相の任期を終わらせただけではない。タイがすでに国境紛争と経済的不確実性の影響に直面している時期に、政党間の交渉を変化させた。提供された報道では、ペートンタン氏が解任された当日に後継者が確定したとはされていない。指導者の交代は、政治的立場が大きく異なる政党間の議会交渉に委ねられたままだった。