エルサルバドル議会は、大統領の多選制限を撤廃し、任期を5年から6年に延長するとともに、次回選挙を2027年に前倒しする憲法改革を承認した。この措置により、ナジブ・ブケレ氏は回数の制限なく立候補できるようになる。大統領が明文の任期規定によって制限されていた同国にとって、重大な変化である。

改革案は迅速な手続きの下で可決され、ブケレ氏と足並みをそろえる議員57人が賛成し、反対したのは野党議員3人だけだった。ある野党議員は、エルサルバドルの民主主義は死んだと述べた。これに対し、立法議会議長のエルネスト・カストロ氏は、歴史をつくったとして同僚議員らに感謝した。こうした反応は、ブケレ政権をめぐる政治的分断を映し出している。支持者は過去との決定的な決別と捉える一方、批判者は権力の急速な集中とみている。

ブケレ氏は2019年から大統領を務め、現在も中南米で最も評価の分かれる指導者の一人である。ギャングに対する強硬な取り締まりによって殺人発生率が低下し、多くの有権者から支持を得ているが、人権団体は、この弾圧によって大規模な恣意的拘束も生じたと指摘している。BBCの報道によると、繰り返し延長されてきた非常措置の下で推定7万5,000人が拘束されており、批判者らは今回の憲法改正によって一党支配が固定化されると主張している。

法的経緯は重要だ。ブケレ氏は昨年、明確な憲法上の禁止規定があったにもかかわらず、2期目の当選を果たした。これは、エルサルバドルの最高裁判所が2021年、再出馬は同氏の人権だと判断したことを受けたものだった。新たな改革は多選制限そのものを全面的に撤廃するため、今後はこの物議を醸した解釈が不要になる。また、現大統領の任期を2年短縮し、2027年に大統領選、議会選、地方選を同時実施できるようにする。

ブケレ氏にとって、この改正はすでに形成され始めていた政治的現実を正式なものにする。反対派にとっては、同国が競争的な民主主義から離れ、忠実な諸機関に支えられた人気大統領が無期限に政権にとどまれる制度へ向かっているとの懸念を裏づけるものだ。報道で引用された市民社会団体は、改革があまりに性急に、真剣な国民的議論を経ずに成立したと述べている。人権団体クリストサルは、独裁的なモデルへの一歩だと評した。

資料の証拠が裏づける結論は単純だ。エルサルバドルは、ブケレ氏に有利になるよう大統領権限のルールを書き換えた。この動きが民主的な信任として記憶されるのか、それとも憲法秩序の断絶として記憶されるのかは、今から次回選挙までの間に、同国の諸機関、有権者、批判者がどう対応するかに左右される。

改正の時期は、憲法の文言そのものと同じくらい重要だ。選挙を2027年に前倒しし、現大統領により長い準備期間を与えることで、議員らは、ブケレ氏の治安面の実績が権力集中のリスクを上回るかどうかを有権者が判断しなければならない時期を早めた。証拠が示唆するところでは、議論の焦点は今や、制度が変わったかどうかではなく、どの程度の抵抗が残っているのか、そして野党が次の選挙サイクルで影響力を持てるほど勢力を立て直せるかどうかに移っている。

つまり、次回選挙は従来のエルサルバドルの制度とは大きく異なるルールの下で争われ、大統領はもはや従来と同じ多選制限の壁に縛られない。