出来事の日付:2025年5月31日。
数千人のブルガリア人がソフィアやほかの主要都市で、政府のユーロ導入計画に抗議するデモ行進を行った。ユーロ圏加盟についてブリュッセルが最終的な承認を与えると見込まれていた日のわずか数日前に、同国の通貨をめぐる論争が街頭へ持ち込まれた。この集会により、欧州統合の技術的な一段階が、主権、物価、政治的アイデンティティーをめぐる争いへと変わった。
市民団体と民族主義政党が率いた抗議参加者は、新通貨をめぐる国民投票を要求した。ソフィアでは親ロシア派政党「ヴァズラジダネ」の旗を掲げ、ブルガリアの現行通貨レフを守るスローガンを叫んだ。警察の警備強化もあり集会は平穏に行われたが、そのメッセージは率直だった。反ユーロ派の相当部分は、レフの放棄に向けて国がこれ以上歩みを速めることを望んでいない。
こうした抵抗は、政治への不満を背景に強まってきた。ブルガリアは2007年に欧州連合へ加盟したが、今も加盟国の中で最も貧しい国の一つである。長年の不安定さが同国の人口640万人の間で欧州懐疑主義をあおる一方、国内外からの偽情報キャンペーンは、ユーロ導入が不確実性を減らすどころか貧困を悪化させる可能性があるとの不安を増幅させてきた。このデモは、経済的不安が国家による統制をめぐるより広範な議論へ転化され得ることを示した。
今月初め、ルメン・ラデフ大統領が通貨をめぐる国民投票を提案したことで、政治的対立は激化した。大統領は、国民がインフレと購買力に懸念を抱いていると述べた。親欧州政党が多数を占める議会は提案を退け、ユーロ導入を妨害しかねない土壇場の行動によってラデフ氏がモスクワに有利になるよう動いたと非難した。この対立により、通貨問題は中央銀行の計算だけの問題ではなくなった。双方が相手を危険な存在と位置づける、忠誠心を試す問題となった。
反ユーロ集会は、レフを取り巻く象徴性も浮き彫りにした。抗議参加者は、レフを単なる計算単位以上のものとして位置づけた。彼らにとってレフは、独立性、継続性、そしてコスト上昇をもたらしかねないと恐れる未来への抵抗を象徴していた。その意味で抗議活動は経済的であると同時に文化的でもあり、政策転換の拒絶であるとともに、国家の象徴を守る行動だった。
正式な承認手続きが進んだとしても、同国がユーロ圏へ入ると見込まれる道筋をめぐっては政治的論争が続いている。この出来事の日付は、通貨同盟によってブルガリアが欧州により確実に根づくのか、それとも新たなリスクにさらされるのかをめぐり、国民がなお分断されていることを示している。抗議活動の直後にブリュッセルが判断を示す予定となる中、ソフィアの街頭は、共産主義体制崩壊後の同国史上、最も重大な政策転換の一つに対して、なおどれほど強い抵抗が存在するかをこれまでで最も明確に表した。



