韓国最高裁は、野党代表の李在明(イ・ジェミョン)氏を選挙法違反について無罪とした控訴審判決を破棄し、同氏の大統領選出馬に疑問を投げかけた。
最高裁は、李氏が公の場で虚偽の事実を述べて選挙法に違反したと判断し、事件を控訴審に差し戻した。この判断が確定すれば、少なくとも5年間、選挙への立候補を禁じられる可能性がある。ただし、最高裁は下級審が審理を進める期限を定めなかったため、6月3日の大統領選投票までに事件が決着しない可能性も残されている。
李氏は、国会を掌握するリベラル系「共に民主党」の候補として世論調査で首位に立っている。大統領選は、戒厳令を布告した保守派の尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領が罷免されたことを受けて実施されるもので、韓国は数カ月にわたり、経済や安全保障上の問題から関心をそらす政治的混乱への対応に追われてきた。
法的手続きの時期が重要なのは、李氏がすでに複数の刑事裁判を抱えているためだ。中でも選挙法違反事件は、選挙への影響が最も明確である。李氏に不利な判断が確定すれば、立候補資格を失う可能性がある。このため、最高裁が異例の速さで事件を扱ったことは、特に大きな意味を持つ。
この判断が下された日は、政治的緊張が高まる日でもあった。権限代行を務めていた韓悳洙(ハン・ドクス)氏は、自らの大統領選出馬への道を開くため辞任し、憲法上の序列に従って崔相穆(チェ・サンモク)企画財政相が大統領権限代行を引き継ぐとみられていた。これは、最大野党の有力候補と暫定政府の双方が動く中で、韓国が選挙運動期間に入ることを意味する。
韓氏が出馬する可能性は、すでに戒厳令の余波によって形作られている選挙戦に、さらなる不確実性を加える。韓氏自身も大統領権限代行に就いてから2週間足らずで弾劾訴追されたが、3月に憲法裁判所によって職務に復帰していた。その辞任は、選挙戦の重心が今後も再び動く可能性を示している。
李氏にとって当面の影響は、法的な最終決着というより政治的なものだ。同氏は選挙戦にとどまっているが、最高裁の決定は大統領への道に新たな不確実性をもたらした。有権者にとっては、韓国の次の選挙が主に政策によって決まるのか、それとも尹氏を失脚させた危機がもたらした法的・憲法的余波に引き続き覆い隠されるのかという、以前からある問いが突きつけられている。
したがって、最高裁による迅速な介入は、単なる法技術的な展開ではない。それは、アジアで最も重要な民主主義国の一つにおける正統性、説明責任、そして将来の方向性を巡る、より大きな闘争の一部である。
下級審に期限が設けられなかったため、法的な影響より先に政治的な影響が表れる可能性がある。この不確実性は誰の利益にもならない。李氏は選挙運動を続けられるが疑惑の影に覆われ、対立候補は同氏を攻撃できるものの投票用紙の顔ぶれが変わるかどうかはまだ分からず、有権者は政策論争ではなく裁判官によって一部が左右されかねない選挙戦に取り残されている。戒厳令の余波をなお受け止めている国にとって、これは大統領選挙運動を始めるには特に不安定な形だ。
その結果、選挙運動は法的不確実性を抱えたまま進み、今後のあらゆる世論調査や討論に、投票用紙の顔ぶれ自体がなお変わり得るという可能性が影を落とすことになる。



