# ルーマニアのヨハニス大統領、選挙無効危機で圧力を受け辞任

発生日:2025年2月10日

ルーマニアのクラウス・ヨハニス大統領は、極右政党からの圧力の高まりと弾劾採決が迫るなか辞任し、前年の大統領選挙の無効化によって引き起こされた政治危機をさらに深刻化させた。

DWによると、ヨハニス氏は感情のこもった演説で決断を発表し、国がさらなる混乱に陥るのを防ぐため退任すると述べた。この動きは、民族主義政党と極右政党が提出した職務停止動議を議員が採決する前に起きた。これらの政党の一部は、与党連立に所属する議員らから支持を得ていた。

危機は、ロシアによる介入疑惑を受け、ルーマニアの憲法裁判所が12月に大統領選を無効としたことから始まった。第1回投票では、極右候補のカリン・ジェオルジェスク氏が無名の存在から首位へ躍り出たが、当選に必要な票には届かなかった。その後、実施されるはずだった決選投票も中止され、憲法上および政治上の行き詰まりが生じた。

2014年から大統領を務めてきた親EU派の政治家ヨハニス氏は、選挙が無効になったため、すでに2期目の任期終了後も職にとどまっていた。同氏は、2025年5月4日に予定される新たな選挙の第1回投票で後継者が選ばれるまで続投すると述べていたが、辞任によって政権移行の時期と様相が変わることになる。

上院議長のイリエ・ボロジャン氏が暫定的に大統領職務を引き継ぐ見通しだ。その職務には軍事・外交政策も含まれるため、この権限移譲は国内だけでなく、同盟東端に位置するEUおよびNATO加盟国としてのルーマニアの役割にも関わる。

この出来事が重要なのは、選挙の無効化によって政治的分断がいかに広がったかを浮き彫りにしているためだ。ジェオルジェスク氏の支持者は選挙無効化をクーデターと呼び、一方でヨハニス氏の批判派は、その辞任は遅すぎたとみなした。DWは、主要極右政党の呼びかけに応じ、最近ブカレストで1万人超が抗議したと指摘している。

ルーマニアの危機には、より広範な安全保障上の側面もある。同国はウクライナを支える主要な地域支援国の一つであり、ブカレストで不安定な状態が長引けば、NATOの計画やキーウへの支援をめぐる政治に影響を及ぼす。そのため、今回の辞任は国内的な譲歩としてだけでなく、ルーマニアの対外的立場への損害を防ぐ手段としても位置づけられた。

ヨハニス氏は、自身が憲法に違反したことは一度もないと述べた。その主張が有権者や歴史家を納得させるかどうかは別問題だ。明らかなのは、中道派の安定化役として就任した大統領が、無効となった選挙の後始末を決着させられない政治体制からの圧力を受けて、今や退任したということだ。