イタリア警察は2024年11月11日、欧州の複数国にまたがる捜査で偽造美術品2,100点超を押収したと発表した。捜査は、世界的に著名な芸術家らの偽作を本物と偽って流通させた疑いのあるネットワークを対象としていた。報告された押収品は量だけでなく価値も莫大で、捜査当局は市場に出れば約2億ユーロに達した可能性があると推定した。美術犯罪の専門家にとって、この事件は近年最大級の偽造品摘発作戦の一つとなる。
作品には、パブロ・ピカソ、フィンセント・ファン・ゴッホ、アンディ・ウォーホル、バンクシーのほか、サルバドール・ダリ、ジャン=ミシェル・バスキア、キース・ヘリング、クロード・モネ、マルク・シャガール、ジャクソン・ポロック、ピート・モンドリアン、グスタフ・クリムト、ワシリー・カンディンスキー、フランシス・ベーコンらの名が付されていた。偽署名の対象が広範だったことは、このネットワークが特定の流派や時代を軸に価値を作るのではなく、世界的に認知された名前の信用を悪用しようとした疑いを示している。警察とピサ検察当局によると、容疑者らは盗品取扱いの共謀、偽造、美術品の違法販売の疑いを持たれている。
捜査当局によると、一味はトスカーナとベネチアの工房で活動しており、その後の欧州での捜査で、スペイン、フランス、ベルギーにも別の工房があることが判明した。疑われている手口は単純明快だが野心的なものだった。偽作品を制作し、イタリアの競売会社に接触した上で、本物であるかのように販売手続きに乗せていたという。ネットワークはさらに、偽物に真作らしい外観を与えるため、一流の会場で展覧会を企画し、カタログも出版していたとされる。現物の制作、マーケティング、権威ある制度の模倣を組み合わせたことが、この活動を非常に巧妙なものにしていた。
ピサのテレーザ・アンジェラ・カメリオ主任検事は、バンクシーのアーカイブに所属する専門家が捜査に協力したと述べ、バンクシー作品を保護する最大の取り組みだと評した。この発言が重要なのは、現代美術の偽造事件では警察の鑑識機関と同じくらい民間の専門家に依存することが多いと浮き彫りにしているからだ。現代美術の来歴は脆弱な場合があり、ネットワークが偽物を文書、展覧会歴、画商との接触で取り繕う方法を身につければ、粗雑な模造品と市場で売れる詐欺作品との境界は、驚くほど曖昧になり得る。
捜査はイタリア、スペイン、フランス、ベルギーにも及び、このネットワークが単に複製を作るだけでなく、国境を越えた販売経路を構築していたことを示唆している。実際には、警察が製作者と仲介業者の双方に加え、偽作品の流通を可能にする仕組みも追っていたことを意味する。報告書は、捜査対象の38人全員が同じ容疑に問われるのか、また押収品すべてが法廷で偽物と立証されるのかについては明らかにしていないが、この規模の美術詐欺を解体するには国際協調が必要であることを示している。
美術市場にとってこの事件は、需要、投機、脆弱な来歴確認が悪い形で重なると、よく知られた名前でさえ依然として被害を受けやすいという警告である。偽造作品を競売ルートに流し込み、カタログや展覧会によって信頼性を補強する能力は、偽造が単に複製画を描くことだけではないと改めて示している。それは物語を売ることでもある。イタリア警察は今のところその物語を断ち切ったとしているが、こうした計画を魅力的にする市場全体の誘因は依然として残っている。



