# マルク・ルッテ氏がNATO事務総長に就任、連立政治で磨いた手腕と山積する課題

マルク・ルッテ氏は10月1日、NATO事務総長としての任期を開始した。イェンス・ストルテンベルグ氏の10年間にわたる在任に終止符が打たれ、欧州で最も経験豊かな政治的調整役の一人が、同盟の最も難しい対立の中心に立つことになった。

オランダの元首相であるルッテ氏は、13年以上にわたって国政を担い、NATOの役職を得るため数カ月にわたり水面下で働きかけた後、ブリュッセルに入った。DWによると、ルッテ氏はジョー・バイデン米大統領と欧州の大半の首脳が望んだ候補であり、これは、競合する利害関係者を同じ場にとどめ、同じ方向へ進ませる能力を同盟国が評価したことを示す。ロシアによるウクライナ侵攻が続き、NATO加盟国政府の間で、キーウへの支援、国内の歳出圧力、長期的な抑止力の均衡をどう取るかについて意見が割れる中、ルッテ氏は就任する。

ハーグでのルッテ氏の実績は、同盟国が同氏を評価する上で中心となる可能性が高い。2023年の連立政権崩壊など、政治的混乱を切り抜けるとの評判を得ており、同政権の崩壊を受けて一時は政界引退を表明した。しかしその後、国際舞台に再登場し、NATOの最高職への支持を固めた。DWによると、同僚らはこの経験が重要になると考えている。NATOの決定には32加盟国の合意が必要で、立場が食い違う場合でも、事務総長はそのプロセスを前に進め続けなければならないからだ。

オランダ首相時代には、現実主義者としての評価も確立した。ドイツのオラフ・ショルツ首相やイタリアのジョルジャ・メローニ首相を含め、政治的立場を異にする指導者らと実務的な関係を築く一方、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領や欧州内部の非自由主義的政治を厳しく批判し続けた。こうした柔軟性と強硬さの組み合わせは、NATOでの同氏の手法を形づくる可能性が高い。そこでは当面、演説よりも、軍事援助、支出公約、同盟の将来の方向性をめぐって加盟国の足並みをそろえ続けることが課題となる。

DWは、ルッテ氏がこの職務の注目度の高さに個人的にも適応しなければならないと指摘している。オランダでは、ハーグにある質素な自宅から自転車で通勤することで知られていた。ブリュッセルでは、警備によってその日課は変わることになる。NATOのオアナ・ルンジェスク元報道官は、この仕事には運営能力以上のもの、すなわち政治的指導力、忍耐力、混乱した交渉を通じて同盟国を前進させる能力が必要だと述べた。ルッテ氏の連立政権での経験は、まさにその種の圧力を管理する上で役立つはずだと同氏は語った。

新事務総長が引き継ぐのは、形式上は結束を維持しながらも、政治的には緊張を抱える同盟だ。ウクライナでの戦争は、負担分担、軍需生産、そしてドナルド・トランプ氏がホワイトハウスに復帰してNATO批判を再開した場合の対応をめぐるあらゆる議論を先鋭化させた。ルッテ氏の支持者は、同氏ならこうした緊張に対処できるとみている。最初の任務は、その評判に値することを証明することだ。