# オーストリア極右が最多議席を獲得、連立への道は険しく
要約: ヘルベルト・キクル氏率いる自由党は57議席を獲得して首位となったが、主要政党は同氏との政権樹立に難色を示しており、連立協議の行方は不透明だ。
オーストリアの極右政党、自由党が初めて議会で最多議席を獲得した。しかし、議席数の計算上の問題や政治的な不信感、さらに他党が党首ヘルベルト・キクル氏を受け入れようとしないことから、政権獲得への道は依然として閉ざされている。
資料によると、FPÖ(自由党)は得票率28.9%で、定数183の議会において57議席を獲得した。得票率26.3%、51議席だった保守系の国民党を上回ったものの、過半数にはなお大きく届かなかった。
キクル氏はこの結果を新時代の幕開けと位置づけ、支持者に対し、歴史をつくったと語った。しかし、より難しい問題は同党が勝利したかどうかではなく、共に政権を担う意思のある連立相手を見つけられるかどうかだ。今のところ、その見込みは薄そうだ。
第2党となったÖVP(国民党)は、キクル氏が率いる政権への参加を拒否している。保守派の党首であるカール・ネハンマー首相は、陰謀論を信奉する人物と政権をつくることは不可能だと述べている。社会民主党、緑の党、ネオスも極右との協力を否定している。
このためオーストリアは、見慣れたものではあるが難しい議会のパズルに直面している。FPÖは第1党になったものの、単独政権に必要な支持を得ておらず、同党を除外した連立の選択肢も複雑に見える。資料は、ÖVPが理論上は社会民主党と組み、さらに小政党の一つを加える可能性があると指摘している。
選挙では、移民、亡命申請、経済、ウクライナ戦争が争点となった。投票率が77.3%に達したことは、これらの問題が有権者を強く動かし、大勢を投票所に向かわせたことを示している。
FPÖの躍進は、欧州で進むより広範な傾向の一部でもある。資料は、ハンガリーのフィデス周辺勢力のほか、オランダ、ドイツ、フランスの同種政党による成功など、欧州大陸のほかの地域でも急進右派政党が並行して勢力を伸ばしていることを指摘する。したがって、オーストリアの結果は、欧州の政治的な空気がより大きく変化している流れの中に位置づけられる。
それでも、オーストリアの事例には特有の微妙な問題がある。FPÖの歴史、「再移住」を巡る言説、ビクトル・オルバン氏のような人物との関係により、連立の計算は単純な議席数が示す以上に難しくなっている。同党が祝勝ムードに沸く一方で、ほかの政治勢力は慎重な姿勢を示している。
今回の結果は、政権への明確な道筋を伴わない勝利だ。自由党は最多議席を得たが、オーストリアは今、そもそも政権を樹立できるのか、また誰の条件で樹立されるのかを巡る争いが本格化する段階に入った。



