出来事の日付:2026年10月22日

陸上競技の不正監視機関アスレチックス・インテグリティー・ユニット(AIU)によると、エチオピアのマラソン選手ルティ・アガは、メチルプレドニゾロンの検査で陽性となり、その後の調査で虚偽の情報を提出したとして、6年間の資格停止処分を受けた。

2019年の東京マラソンで優勝した32歳のアガは、2026年3月に中国で行われたレースの後に検体を提出した。検査では、禁止リストに含まれる抗炎症薬メチルプレドニゾロンが検出された。この薬は重症のぜんそくなどの治療に使われることがあるが、規制対象であるため、選手はその使用に関するアンチ・ドーピング規則を守る必要がある。

アガは調査担当者に対し、膝のけがの治療が陽性結果の理由だと説明した。AIUによると、その説明を裏付けるために提出された資料は精査に耐えなかった。調査担当者は、処方箋とされた書類が実在しない診療所のものであり、医師として示された発行者も、実際には医師登録のないアガの家族だったと判断した。

今回の懲戒処分は、別々の制裁を組み合わせたものだ。アガにはアンチ・ドーピング規則違反による2年間の資格停止と、証拠の改ざんによる追加の4年間の資格停止が科された。AIUは、アガが聴取でも虚偽の情報を伝えており、陽性反応だけを扱う場合よりも重大な事案になったと説明した。

アガはエチオピアを代表するロードレース選手の一人だった。東京での優勝に加え、世界でも特に競争の激しい都市型レースの多くが参加するシリーズ、ワールドマラソンメジャーズの大会で4度、3位以内に入った。今回の長期資格停止により、30代前半の選手として残された競技人生の相当な期間、トップレベルの競技から離れることになる。

この事案は、検査機関による分析の後に行われる調査の重要性も示している。アンチ・ドーピング機関は、検体から見つかった物質だけで必ずしも判断を下すわけではない。選手が示した医学的な説明や治療記録、その他の書類を評価し、証拠が捏造された場合や調査が妨害された場合には、追加の制裁を科すことができる。

AIUの最高経営責任者ブレット・クロージャーは、マラソン界が過去6〜7年間にドーピング対策で有意義な進展を遂げた一方、引き続き調査に資源を投入する必要があると述べた。責任を逃れようとする試みを明らかにし、禁止物質を使わずに競技する選手を守るには、説明の検証が不可欠だと主張した。

AIUの説明によれば、追加の4年間の処分で決め手となったのは、最初の検査結果そのものではなく、調査担当者を欺こうとした行為だった。この違いは、架空の医療書類を提出すると、元の違反を大きく上回る処分につながり得ることを警告している。