ハンガリーで、米国で農作物被害を引き起こしている侵入昆虫ビワハゴロモが、欧州連合(EU)域内で初めて確認された。ハンガリーの食品チェーン安全当局Nébihが2026年9月24日に発表したところによると、セルビアと国境を接する南部バーチ・キシュクン県で個体が見つかり、検査機関での検査によって種が特定された。
見慣れない昆虫に気づいた住民が当局に通報した。検査でこの害虫と確認された後、当局は検疫措置を開始した。Nébihは、ハンガリー国内だけでなくEU全体でも初めての確認例だと説明した。EUでは、この種は検疫対象の害虫に指定されている。この指定は、侵入した個体群の定着と拡散を防ぐための公的な対策の根拠となる。
学名をLycorma delicatulaというビワハゴロモは東南アジア原産で、体長は約2.5センチメートルに達する。幅広い植物を食害し、特にブドウの木や果樹、その他の農作物への影響が懸念される。大量発生すると植物を弱らせるほか、その存在がほかの害虫や病気の発生を促す条件につながる可能性もある。
ハンガリー当局者は、新たに侵入した外来種は大規模な繁殖個体群を形成する前の方が封じ込めやすい場合があるとして、早期の通報と市民の注意を呼びかけた。今回の発見が一般市民の通報から始まったことは、住民が果たし得る役割を示している。ただし、種の識別と確認は引き続き専門家や検査機関の仕事である。当局は、個体群の規模や、この昆虫が同県に到達した経路については発表していない。
米国での経験は、経済的な影響の大きさを示している。米国では2014年、中国から輸送された石材の中で卵塊が見つかった後、ペンシルベニア州で初めて確認された。その後、当初の発見地域を越えて広がった。ペンシルベニア州立大学が2020年に公表した研究は、この害虫により同州で年間5億5,400万ドルの損失と、年間約5,000人分の雇用喪失が生じていると推計した。これらの数値は、被害が深刻な米国の一つの州を対象とした研究の評価であり、ハンガリーやEUについての予測ではない。
欧州での発見により、監視、移動規制、昆虫や卵塊を運ぶ可能性のある物資の検査に関心が集まっている。バーチ・キシュクン県はEUの対外国境に近いため、連携と監視も重要になる可能性がある。ただし、提供された証拠からは、見つかった個体がどこから来たのかは明らかになっていない。
この出来事が報じられた日時点で確認されていた事実は、検査機関が初めて存在を確認したことと、検疫措置が始まったことに限られる。今回の事例が単独の侵入なのか、それともより広い個体群の存在を示すものなのかは、追加調査によって明らかになる。当局の当面の優先課題は、この種が定着し、ブドウ園や果樹園、その他の被害を受けやすい植物を脅かすのを防ぐことだ。



