ブラウザー業界のInteropプロジェクトの2027年版に向けた計画から、より幅広く、一貫して対応される可能性のあるCSS機能が見えてきた。毎年行われるこの取り組みでは、主要なブラウザーベンダーやウェブ基盤への貢献者が集まり、実装とテストを協調して進めることでブラウザー間の違いを減らせる技術分野を選ぶ。

Google、Apple、Microsoft、Mozillaに加え、IgaliaやBocoupなどのエンジニアリング集団が参加している。提案された機能がすべて選ばれる保証はないが、選定されれば互換性向上の取り組みが加速し得る。CSS Subgridはその例だ。Firefoxが2019年に実装した後、他での採用は何年も限られていたが、Interop 2023に選ばれると、その年の終わりまでに現代のブラウザーで広く利用できるようになった。

検討中の提案の一つは、CSSに開発者定義の関数を導入するものだ。開発者は`@function`ルールを使い、処理をJavaScriptに移すことなく、計算をひとまとめにして再利用可能な値を返せるようになる。ウェブ技術の教育者ジョシュ・コモーは、利用例として座標変換を挙げた。特に、極座標系と直交座標系の間で変換を繰り返すアニメーション制作に役立つ可能性がある。この機能はChromiumベースのブラウザーではすでに実装されているが、より広い普及には他のエンジンでの対応が必要になる。

もう一つの分野は、要素の角と境界線の形状に焦点を当てている。提案されている`corner-shape`プロパティは、`border-radius`が提供する円弧状の丸みにとどまらず、面取りや、より滑らかな超楕円状の角などの選択肢を提供する。境界ボックス自体の形が変わるため、アウトライン、境界線、影もその輪郭に沿わせることができる。これは、クリッピングやマスクで同様の効果を近似する方法とは異なる。Chromiumはこの機能に対応しているが、2026年10月の解説時点ではFirefoxとSafariは未対応だった。

より低水準の`border-shape`という提案では、開発者が直線、円弧、ベジェ曲線を使って独自の輪郭を記述できるようになる。この方法なら、要素の形と見た目の境界線とのつながりを保ちながら、不規則な形のカード、切り欠き、アニメーションによる形状遷移などを実現できる可能性がある。二つの形状に関する提案はいずれも、あらゆる環境で本番利用できる機能ではなく、候補の段階にある。

CSS Anchor Positioningの次の段階についても議論されている。既存のAPIでは、ツールチップのような浮動要素を別の要素に結び付け、空間が足りない場合に代替の配置を試せる。Level 2の提案では、どの代替位置が使われたかをスタイルシートに伝えるクエリーが追加される。この情報は、ツールチップのボックスが上側から下側へ切り替わった後も、起点の要素を指す必要がある矢印や装飾を含む場合に重要となる。

さらに初期段階の案として、継承した値を計算で変更できるようにする`inherit()`関数がある。標準のCSSでも`inherit`キーワードで親要素の値をコピーできるが、デザイナーは調整した値を必要とすることがある。例えば、大きな角丸のコンテナーの内側に入れ子にした要素では、内側の角の半径を小さくしたい場合がある。この提案はまだブラウザーに実装されていない。

これらの候補は、単に構文を追加するのではなく、開発者が頼れる動作をそろえるというInteropの実用的な目的を示している。2027年の重点分野が確定するまでは、各機能の対応状況には差があり、実験やプログレッシブエンハンスメントとして扱うべきだ。選定されれば、ブラウザーチームが次にどこへ互換性向上の取り組みを集中させようとしているかが分かる。