新たなオープンソースのプロジェクトが、M5Stackの電子ペーパー端末PaperMonoを、家族がスマートフォンから品目を追加でき、冷蔵庫に置いておける家庭用の買い物リストに変えた。独自の端末ファームウェア、FastAPIサーバー、モバイルで使いやすいウェブ画面を組み合わせている。
PaperMonoのハードウェアはESP32-S3プロセッサーと、3.97インチ、480×800ピクセルの電子ペーパー式タッチスクリーンを搭載する。端末上のアプリケーションは買い物の品目を売り場の通路ごとにまとめ、利用者が普段店内を回る順番にグループを並べることができる。画面に触れて購入済みの品目にチェックを付けられ、画面上のキーボードから直接入力することも可能だ。他の家族は、付属のウェブページから操作できる。
スマートフォンとディスプレーの間では小規模なサーバーが動作し、共有リストを保存するとともに、各品目がどの通路に対応するかを記憶する。利用者はまず、ウェブ画面で利用する店舗の通路を設定する。任意の機能として、AnthropicのClaudeを使って新たに入力した商品を通路に割り当てることもできるが、基本的なリストの利用にこのサービスは必要ない。
リポジトリーには約2,400行のC++ファームウェアが含まれ、動作するアプリケーションであると同時に、他のPaperMonoプロジェクトの比較的コンパクトな出発点としても提示されている。インストールにはPlatformIOと端末へのUSB-C接続が必要だ。説明書は、端末固有の工場出荷時の校正情報が含まれるため、インストール前に本体のフラッシュメモリーをバックアップするよう案内している。
開発者のシェイマス・コーリーは、このプロジェクトの範囲を明確にしている。自宅の1台の端末で動かしているもので、商用製品ではない。動作確認済みなのはPaperMono C153だけだ。Wi-Fiの接続認証情報はファームウェアに組み込んでコンパイルする必要があり、サーバー自体には認証機能がない。そのため説明書では、ローカルネットワーク内で運用するか、認証機能のあるリバースプロキシーの背後に置くことを勧めている。
ボードのサポート機能、タッチスクリーンと電子ペーパーのドライバー、キーボード配列、画面の構成要素の一部は、同じハードウェア向けの独立したファームウェアプロジェクトMonoMeshから改変して取り入れた。PaperMono Shopping Listは、これらの構成要素の派生元となった著作物と同じ、GNU General Public Licenseバージョン3で公開されている。
このプロジェクトは、電子ペーパーの実用的な強みを示している。従来型の発光するタブレットのような振る舞いをせず、身近な場所でリストを表示したままにできることだ。ローカルでの利用を優先する設計と、明示された制約によって、利点と引き換えに必要となる条件も明確になっている。利用を考える人には、対応ハードウェア、ファームウェアをインストールするための知識、サーバーを安全に運用する方法が求められる。これは自作のための工作プロジェクトであり、一般消費者がそのまま使える家電製品ではない。



