政治指導者について新たにまとめられたデータは、各国の行政のトップと、その統治を受ける国民との年齢差が広く見られることを示唆している。研究者ハンナ・リッチーによると、世界の人々の4人に3人は主要な指導者が65歳を超える国に暮らし、3人に2人は70歳を超える指導者の下で暮らしている。
このデータは140か国以上を対象とし、指導者を、行政権を主として行使する人物と定義している。政治制度によって、大統領、首相、君主などが該当する。リッチーは、世界の指導者の年齢中央値を約64歳としているが、地域によって傾向は異なると指摘する。地域別の中央値が最も高いのはアフリカで70歳近くに達する一方、欧州と南米は50代半ばとなっている。
データの中で年齢差が最も大きいのはカメルーンだ。人口の年齢中央値が18歳の同国で、ポール・ビヤ大統領の年齢は93歳と記載されている。この75歳の差は、非常に高齢で長期在任の指導者と、非常に若い国民という組み合わせから生じている。リッチーによると、ニジェール、チャド、コンゴ民主共和国でも人口の年齢中央値は約16歳で、アフリカの一部で指導者と国民の年齢差が大きくなる一因となっている。
国全体の年齢中央値の計算には子どもも含まれるため、政治指導者が成人である以上、ある程度の差は避けられない。しかし、比較対象を成人に限っても、差はなお大きい。リッチーの分析では、指導者の年齢は成人の年齢中央値を平均で約20歳上回り、143例中129例で指導者がその国の中央値より高齢だった。例外として挙げられたのはオランダとモンテネグロの2か国だった。
このデータでは、在任期間と政治体制にも関連があるように見える。リッチーはV-Demプロジェクトの体制分類を用い、調査対象の自由民主主義国25か国では、現職指導者の在任期間が10年を超える国は一つもないことを明らかにした。一方、専制国家には数十年にわたって権力の座にある指導者が複数いた。アフリカでは、分析対象41か国のうち31か国が専制国家に分類され、同大陸の高齢指導者上位10人のうち8人がこれらの国の指導者だとしている。
実際に行政権を握る人物の特定は必ずしも容易ではないため、数値の扱いには注意が必要だ。例えばサウジアラビアでは、あるデータセットはサルマン国王を、別のデータセットはムハンマド・ビン・サルマン皇太子を指導者として扱う場合がある。領有を主張する地域の一部しか統治していない政府も、判断が難しいケースを生む。正確な生年月日や指導者の交代も、現時点での比較結果を左右しうる。
リッチーはこのデータを、決定的な根拠ではなく探索的な分析のための資料として提示し、訂正を呼びかけている。それでも、調査対象の大部分で大きな傾向は共通している。政治指導者は国民よりかなり高齢であり、若い人口と長期在任の統治者が組み合わさる国で、その差は最も大きくなっている。



