出来事の日付:2026年11月6日。
新たなオープンソースプロジェクト「MoofTCP」が、初期の68k Macintoshの所有者向けに、AppleのネットワークソフトウェアMacTCPに代わる現代的な選択肢を提供している。対象はSystem 6を実行する68000搭載Macで、MacTCPのインターフェースに合わせて作られたアプリケーションを変更せずに動かせる、そのまま置き換え可能な代替ソフトとして設計されている。
この互換レイヤーの下には、移植性のあるC言語で一から書かれたTCP/IPスタックがある。パッケージには独自のインストーラー、コントロールパネル、DHCPクライアントが含まれ、古いMacを現在のネットワークに接続する際に生じる実用上の障害をいくつか解消する。開発者によると、RAMを4 MB搭載したMac Classicの制約を前提に作られており、常駐メモリーの使用量をMacTCP以下に抑えることを目指したという。
このプロジェクトは、BlueSCSIなどの現代的なストレージ・ネットワークブリッジを使う機種と特に関係が深い。こうしたアダプターによって古いMacからWi-FiやEthernetを利用できるようになる一方、元のネットワークソフトウェアは応答が遅かったり、限られたメモリーを消費したり、煩雑な手動設定を必要としたりする場合がある。MoofTCPは、従来のプログラムとの互換性を保ちながら、その設定を簡単にすることを意図している。
リポジトリに記載されたテストでは、メモリー4 MBでSystem 6.0.8を実行する実機のMac Classicと、DaynaPORTエミュレーションを使うBlueSCSI v2 Wi-Fiデバイスが用いられている。このスタックはSnowエミュレーターでも動作が試されている。Appleのソフトウェアに戻したい場合はインストーラーからMoofTCPを削除でき、リリース文書にはメモリーの制約が特に厳しいシステム向けの軽量な構成も説明されている。
開発には、固定したDockerイメージ内のRetro68クロスコンパイラーを使う。移植可能なコア部分とプラットフォームへの接続部分は、GCCとCMakeを使ってデスクトップ環境でテストでき、AddressSanitizerとUndefinedBehaviorSanitizerが既定で有効になっている。エミュレーターを使ったテストには、利用者がAppleのシステムソフトウェアとBlueSCSI DaynaPORTイメージを用意する必要があり、いずれもリポジトリでは配布されていない。
リポジトリには、ネットワークの問題が起きた後に出力ファイルを書き出す診断ユーティリティー「MoofDiag」も用意されている。メンテナーは、互換性の問題を報告する際には、このファイルと、そのとき何をしていたかの説明を添付するよう求めている。開発への貢献や報告は、プロジェクトの開発ガイダンスとセキュリティーポリシーに従うことを条件に歓迎されている。
MoofTCPはMITライセンスで提供されている。開発者は、ビルド工程ではRetro68ツールチェーンを通じて提供されるAppleのインターフェースを利用するものの、ソフトウェア自体にはAppleや第三者のコードは含まれていないと説明している。APIの互換性と新規実装を組み合わせることで、元のネットワーク層が現在一般的な家庭用ネットワーク構成よりも古い機種に的を絞った、近代化の取り組みとなっている。



