Books3データセットに関する新たな証言録取の内容が、Metaの人工知能モデルLlamaをめぐる連邦著作権訴訟で、証拠開示をめぐる対立を広げている。権利者側によると、Metaの元研究者スティーブン・ローラーは、Books3を含む、より大規模なデータセット「The Pile」をBitTorrent経由でダウンロードしたと認めた。Metaは、その証言では、ダウンロードが同社のために行われたことも、在職中に行われたことも立証されていないとしている。
Books3は、非公開のトレントトラッカーBibliotikに由来する、約20万冊の書籍を集めたデータセットだ。Metaは以前、このコレクションの一部をLlama 1とLlama 2の学習に使用したと認めているが、それだけでは同社がどのようにデータを入手したかは説明されていなかった。今回の争点は、ローラー個人が保有していたコピーの入手経路と、Metaの研究者らがほかにもコピーを保有していたかどうかにある。
原告側の説明によれば、ローラーはThe Pileを入手した正確な時期を思い出せなかった。彼は2017年から2023年1月までMetaで働いており、Books3が作成されたのは2020年だった。権利者側は、この時系列と証言録取でのほかの回答を踏まえ、コピーがいくつ存在し、誰が入手し、BitTorrentを通じて配布されたかについて、さらに調べる必要があると主張している。
原告側は、ローラーがデータセットをめぐる訴訟のさなかに自分のコピーを後に削除したと証言した点も指摘している。原告側は、その行動が、研究者やシステムの間で資料がどのように移動したかを再構成する取り組みに関係すると位置づけている。この説明は係争中の訴訟における主張であり、Metaがローラーのダウンロードを指示または承認したという認定ではない。
Metaは原告側の解釈に異議を唱えている。同社によると、ローラーはMetaのために、あるいはMeta在職中にThe Pileをダウンロードしたとは証言しておらず、退職後はほかのAI企業で働いていたという。Metaはまた、コピーが彼の個人用コンピューターに保存されていたことや、質問で名前が挙がったほかの研究者2人による別個のダウンロードは、証言録取では確認されなかったことも指摘している。
入手方法が重要なのは、関連訴訟で裁判所が以前、書籍をLlamaの学習に使うことはフェアユースに当たると判断し、BitTorrentによるダウンロードと配布をめぐる問題が主要な未解決事項として残ったためだ。原告側は、どのトレントが対象となり、ソフトウェアがどのように設定されていたかを示し得るとして、コマンド履歴ファイルなどの記録を求めている。
Metaは、大量のサーバーログを提出済みで、引き続きバックアップを調査し、追加資料を順次提供していると説明している。原告側は、欠落している記録があるなら、より明確な説明を求めており、当事者間で合意できなければ、裁判所にさらなる介入を求める可能性がある。
Entrepreneur Mediaの訴訟は2027年春に公判が予定されており、ほかの出版社や著者も関連する請求を追及している。ローラーの証言録取は双方に新たな議論の材料を与えたが、それ自体で、誰がダウンロードを承認したのか、その行為がMetaと関係していたのか、どのような法的帰結が生じるべきかを解決するものではない。



