大統領、さらなる任期延長を否定
エジプトのアブドルファッターハ・シシ大統領は、現在の任期を最後とし、2030年の満了時に退任する意向を明らかにした。在任を続けるための憲法改正は行わないとしている。発言は新行政首都にあるエジプト陸軍士官学校の卒業式で行われた。
シシ氏は、この決定は確定しており、留任をめぐる議論をこれ以上行うことはないと述べた。過去には憲法改正によって大統領の任期が長くなり、シシ氏が現在の任期を目指して立候補できるようになった経緯があるため、この表明には政治的な重要性がある。今回の発言は、2014年から同氏が率いてきた体制の最高指導者が交代する期限を、公に示すものとなった。
元陸軍将官で71歳のシシ氏は、2030年までの年月を新たな世代の指導者の育成に充てると述べた。その取り組みの一環として、陸軍士官学校が将来の政府高官、閣僚、大統領候補を育成していることを挙げた。発言では後継者の名前や正式な選出手続きは示されなかった。
任期満了の4年前にした約束だけで、実際の移行がどのように進むかが決まるわけではない。エジプトの憲法、選挙運営、政治環境が、候補者の顔ぶれや次回大統領選の実施条件を左右する。それでもシシ氏の表明は、今後、規則の変更が提案された場合に、その是非を判断する明確な基準となる。
地域の緊張が続く中での発言
退任の約束は、主に地域の安全保障とエジプト・サウジアラビア関係を扱った演説の中で示された。シシ氏は、サウジアラビアがエジプトの支援を要請した場合に、議員が防衛措置を承認できるよう、議会に緊急会合の開催を求めたと述べた。同氏は、サウジアラビア、紅海、国際海運航路への脅威を、エジプトおよびアラブ地域全体の安全保障に関わる問題と位置づけた。
シシ氏はまた、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、クウェートに対し、エジプトへの歴史的な支援だとするものについて謝意を表した。議会の承認を求めたことは、作戦が始まったことを意味しない。報じられた演説によると、リヤドが支援を要請した場合に取り得る措置について、法的な承認を求めたものだ。
軍の卒業式で後継に関する発言をしたことは、国内の指導者育成と国家の安全保障機関を結びつけるものとなった。式典が開かれた新行政首都は、シシ氏を象徴する開発事業の一つで、カイロの東に建設された政府の拠点である。
次の焦点は、国家機関が2030年以降の大統領職に向けて、目に見える競争的な道筋を整え始めるかどうかだ。現時点でシシ氏は、現在の6年の任期をもって大統領職を終え、さらなる憲法改正による延長は計画にないという、明確な公約を示した。



