SpaceXのStarshipが9月28日、同システムの14回目の全機打ち上げで軌道に到達し、同社の再使用型大型ロケットの試験における大きな節目を迎えた。無人の宇宙機はテキサス州南部のStarbaseから離陸し、エンジン1基が予定より早く停止した後も、軌道に向けた飛行を続けた。

飛行管制担当者は、故障したエンジンが残りの上昇にはもう必要ないと判断し、飛行の続行を認めた。Starshipは新型のStarlink衛星26基を搭載しており、機体の開発と実運用に使うペイロードの展開を組み合わせた試験をさらに広げるものとなった。報道によると、SpaceXはすでに約1万1,000基の従来型Starlink衛星でインターネットサービスを提供している。

これまでのStarshipの全機試験は、飛行してもインド洋までにとどまり、複数の試験は機体が破壊される失敗に終わった。Flight 14は、それを大きく上回る飛行を目指して設計された。SpaceXは約10時間にわたり高度約275キロメートルで地球を6周し、その後チリ付近の太平洋に着水する計画を立てた。そのため今回の打ち上げは、同計画を短時間の準軌道飛行の実証から、持続的な軌道上運用へと移行させた。

第1段ブースターのSuper Heavyは、テキサスの発射場に戻る予定ではなかった。代わりに、離陸後まもなくメキシコ湾へ降下する計画だった。SpaceXは、軌道から戻るStarshipを陸上へ帰還させる試みに先立ち、段階的な手法を取っている。陸上では飛行中に機体が分解すると、人口のある地域に破片が散乱するおそれがある。

機体全体の高さは約124メートルで、完全再使用型のシステムとして構想された。SpaceXは7月、以前のStarshipの機体をインド洋から回収し、その機体の検査結果をFlight 14の耐熱シールドの変更に役立てた。今後の試験ではStarbaseへの帰還を試みる見通しで、発射塔の機械アームがホバリングする宇宙機の捕獲を目指す。イーロン・マスク氏は、その捕獲の成功確率をおおむね五分五分、あるいはそれをやや上回る程度と見積もっている。

軌道飛行能力の実証は、SpaceXの商業計画とNASAの月探査計画の双方にとって重要だ。SpaceXはStarshipを大型の衛星展開に使用し、最終的には地球を離れるミッションにも使う意向だ。NASAも、今後のArtemisミッションでStarshipを基にした月着陸船を当てにしている。ただし、報道に示された順序では、有人月面着陸に先立って、まず軌道上でのドッキング試験を行うことになっている。

Flight 14だけで日常的な再使用が実現したことにはならない。エンジンの早期停止、長時間運用、予定する着水のいずれも、その後の試験に向けたデータをもたらす。それでも軌道到達によって、同計画はこれまでの打ち上げで越えられなかった一線を越え、技術者ははるかに長い飛行行程全体で機体を評価する機会を得た。