発生日:2024年11月5日
遠隔操作ロボットが、損傷した福島第一原子力発電所の原子炉の一つから溶融燃料の破片を回収した。2011年の原発事故以降、こうした物質が原子炉格納容器の外へ持ち出されたのは初めて。運営事業者の東京電力は、サンプルが2号機から採取されたと発表した。
「テレスコ」と呼ばれる伸縮可能な棒状の装置は、トングを使い、原子炉格納容器底部にあるデブリの山の上部から物質をつまみ取った。東京電力によると、回収された破片の大きさは約5ミリで、小さなグラノーラのかけらほどだった。完全防護装備を着用した作業員らは、ロボットのトングがサンプルをつかんだまま、ロボットを密閉型の保管容器へ引き入れた。
回収しただけで作業が完了したわけではない。技術者らは、この破片の放射能が別の容器へ安全に移すための上限を下回っているか、なお確認する必要があった。上限を超えていた場合、ロボットを格納容器に戻して別の破片を採取しなければならない。東京電力は、サンプルが3グラム未満と小さいため、基準内に収まると見込んでいた。
作業は8月、往復2週間の計画で始まったが、2度中断された。開始時の手順上の誤りにより、約3週間の遅れが生じた。その後、遠隔操作者が対象区域を見るために使用していた2台のカメラがともに故障し、作業再開前に交換するため、作業員らはロボットを撤収せざるを得なかった。テレスコは最終的に、かつて2号機の炉心があった場所の真下からデブリをつまみ取った。
福島第一原発は2011年3月の地震と津波で不可欠な冷却システムを喪失し、3基の原子炉で炉心溶融が発生した。高い放射能を持つ溶融燃料は推定880トン残っている。放射線量が高く、重要区域へ人が立ち入れないことに加え、デブリの物理的状態が今なお完全には分かっていないため、ロボットによる調査が不可欠となっている。
発電所の小野明所長は、この微小な試料でさえ、撤去機器の設計や廃炉計画、事故がどのように進展したかの再現に役立つ情報をもたらし得ると述べた。研究所での分析により、原子炉内部の画像からは分からない物質の組成や特性を明らかにできる。
日本政府と東京電力は廃炉完了までの目標を30~40年としているが、情報源が引用した専門家らは、この日程は楽観的すぎるとみている。すべての燃料デブリを撤去する方法や、最終的な処分方法を決める詳細な計画は、依然として存在しなかった。したがって、このサンプルは技術上の節目ではあるものの、大規模な撤去が間近に迫っている証拠ではない。物質をつかんで取り出せることを実証する一方、各段階をいかにゆっくり慎重に進めなければならないかも浮き彫りにした。この破片の将来計画における実用的な価値を左右するとみられたのは、その大きさではなく、分析結果だった。



